谷村思亜のさくらうた

桜の歌が毎年たくさんできます。  #短歌  #桜  #谷村思亜

2017年のさくらうた

花よ花 なれと相見る切なさよ 耐え得ぬ悲しみ耐えてきたから

花待つ日 つぼみの中に眠れるは 広大無辺の花の心ぞ

花の子の少しほどける春日かな

花の意のやさしく寄せる花の夜 この春もまた花は生まれり

花の意の漂う今日のこの時のかけがえのなさを人よ知るべし

花の色 最も悲しき人にして最もやさし慰撫の色かな

花よ花 そのやさしさの尊さよ 苦界になれの展がる奇跡

花の意の広がる今日のうれしさよ 一年一度の奇跡の時よ

花風や 咲き初めにける花の意に包まれし世と今なりにけり

花よ花 花意は今世におわしけり 全ての悪を浄化する意が

花の意の今日ある事のうれしさよ 世の全きを花よ清めよ

花よ花 汝のやさしその色を全ての人の慰撫と咲かせり

花よ花 かくもやさしきその色を天と地の間に咲いて見すなり

花よ花 花の姿もその色もこの世に他に二度となきもの

桜花 ただやさしくてやさしくて 切なきほどの薄紅の色

花の意の永久なれと願うれど やさしきものの世にははかなし

薄紅の善意の色に桜花 この春も世を癒し清めり

桜花 この春もまた咲いて見す 天意はかくもやさしきものと

 

一年の人の悲しみ癒すため 桜の花は彼の色に咲く

花の咲く一刻の間の短さはやさしき人の稀なるに似る

ああ今世 やさしき花の色に染む 悲しき人の無二なる癒し

花は花は悲しき人に告げにけり 天意はかくもやさしきものと

死に瀕す者にぞやさしき花の色 そが最上のやさしさが故

さくらさくら 汝魔法のごときもの そのやさしさの稀なる不思議

誰の内にもあるはずのやさしさを桜の花は咲いて教えり

心細き者を慰むるために花は無上の愛に咲くなり

さくらさくらはるかに遠き花の色 遠き場所から来た愛の使者

人世から最も遠き花の色 人には決して届かじの色

悪意から最も遠き花の色 故に人から最も遠し

花よ花 そのやさしさよ称えても称えても尚無上の色よ

さくらさくら汝の在らぬ場所になど我は生きたくなしとぞ思う

凍え切る心を癒す花の意よ この世に無二の汝のやさしさよ

花の意のやさしく寄せる花の夜 我が全霊を憩わし給えり

さくらさくら我が闘争を汝こそ全て報いてくれる色かな

さくらさくら汝の色のなき時を我はどうして生きてきたのか

絶え間なく血流し続けた我が心 桜の花は救い給える

 

一年の全ての傷を桜花 その薄紅に慰撫しにけり

さくらさくら我が魂の故郷よ 我が魂の標の色よ

花よ花 至善のやさしその色は全ての不幸報い給へる

見る毎に光のごとき桜花 我が万年の願いの成就

花揺れて花の告げにし言葉とはあらゆる心救うやさしさ

さくらさくら ただ一刻に咲き誇り 汝のいぬ間は漆黒の闇

花屋根や 全ての悪を消し給う 人の望みの叶いし時ぞ

花よ花 汝のいぬ間の長き闇 汝と相見る時ぞ短し

さくらさくら 汝の今在るこの幸を誰に感謝を捧げん桜

こんなにも邪悪なる世に桜花 汝は未だ咲いてくれるか

花の意よ 救いなき我が魂を癒し尽くさんというかのごとし

花の心よ 救いなき世の人々をまた慰撫せんとする強き心よ

花よ花 吾が悲しみのために咲け 悲しき全ての人のため咲け

床しくて花床しくてやさしくて この世で最もやさしきものよ

花よ花 二度なきやさし花は揺れ 現にあらじ色を見すなり

花美し 闇の向こうに生まれ出ず 美とはこんなにやさしいものか

花よ花 花の無限の言葉とは無限に人を慰むるもの

 

その色でその美で人を慰むる 花の心は無尽の善意

花よ花 汝とともにいる今ぞ 他にどこにも行きたくはなし

さくらさくら 汝の咲ける一瞬は無辺宇宙の価値に等しい

なんという色であろうか桜花 至善至高の光の花よ

花の意の魂に添う花の夜 万年の闇抜けたる先で

花の意の闇の中にも在り給う 天意の降りし奇跡の夜よ

桜花 我誘ってよ花の国 この世に未練は一片もなし

花の夜が常世でなきの悲しみよ さくらさくら何故に短し

花の色 光のごとく輝ける 光のごとき花の心ぞ

花よ花 この世ならざる桜花 我を理解すもの他になし

むごき世に花の咲く間の短さよ 花は花らしこの春もまた

花よ花 あまりにこの世はつらすぎる なれに近似す我にとっては

花よ花 なれの道理で生きたくて 人の世界で生きられはせぬ

花よ花 豊かに降らす愛の色 やさしさはかくもたおやかなりき

花の愛 咲いて見すなりこの春も この世に慈悲の色を見すなり

花よ花 世界中の美を集めても汝の美にはかなわぬ桜

 

花の愛 深きに我は没したし この世に我のいる場所はなし

憧れの国が今世におわしまし さくらさくら心の花よ

神秘なる花の開けるこの夜ぞ 神秘に我を隠し給へり

意地悪き人ほど花を憎むだろ なれへの思い慟哭す花

奇跡なる花の今日咲く奇跡の夜 善とはかくも奇跡なるもの

愛と善 それが見えにしものならばそれは桜の姿そのもの

花国を現に一刻現すは天意を人に知らしむるため

花よ花 その咲ける間の短さよ 美しすぎるもののはかなさ

花よ花 夢にも見まじその色を愛ゆえに見す花の心よ

花よ花 汝の咲ける間の他に生きたくはなし花よ桜よ

救いなき我が魂を救い得るもの他になし桜よ桜

花を恋うほどにやさしき桜花 汝の永久なる場所にいきたし

悪意とは真逆なる意よ花の意よ 壮絶なるも世にぞはかなし

この世にて人は悪意に生きながら花を愛する資格のありや

花よ花 我が魂とこんなにも呼応すものの二度となきもの

花よ花 あふるる愛の色と咲き 何故に散りぬる何故に消えぬる

 

はかなくも花全霊の愛と咲き 全霊が故に散ってゆくのか

人の世に何故に咲きぬる桜花 憧れし者を連れていってよ

おぞましき人世と対極する花よ はかなくも何故世に現るる

己らしく全霊に咲け全霊に それが全てと花は言うなり

花よ花 人世の毒に侵されて我死なんとす汝の散る間に

花空や 天意の色を降らせつつ 忘るなと降る忘るなと降る

天辺に二度なき色ぞ桜花 無上にやさしきその花の色

薄紅の雪崩るる花の中にこそ我が魂を永久に埋めん

花吹雪 宇宙のごとき花色に包まれし今永久に永久なれ

花よ花 なれを失う風の夜 残酷な世の残酷な夜

花の夜 闇の中にも散りぬるを その花びらを追ってゆきたし

残酷な世に壮絶に花開き 一刻に咲きつかの間に散る

花の心 忘るるまじと花吹雪 只中にいて約す者なり

花よ花 なれを失う風の夜 我の涙を労わりつ散る

花よ花 我が憧れの花色よ 別れの言葉告げつ名残らん

花森や 人世になきそのやさしさよ 深き悲しみ慰むる色

さくらさくら 汝も我を忘れぬか 相思の時よここに留まれ

 

花よ花 もうしばしあれ吾とともに同じ次元に今しばしあれ

現には幻のその薄紅は床しき花の心なりけり

神世から来て神世へと還りたる 花とはきっとそんな存在

花色よ 現と最も遠い色 現にあらぬそのやさしさよ

現には永久なくて花散ってゆく 美のあり方を花は示せり

空を埋む やさしき色の花の色 その下を永久に歩ませ給え

花よ花 やさしき色に魅入らるる 魅入らる者を花は誘いぬ

この春も歌い切れない花の歌 花の値を歌い切れない

散りゆきぬ我が魂を包む花 永久へ永久へと散りゆきながら

永遠の薄紅色よ花色よ この春もまた消えてゆくのか

まちじゅうの花びらが風の中に舞う 花終わりゆく日終わりゆく日

枝に咲くも落ちてもやさし花の色 恋う者に花意を残しけり

花は花は 春つかの間の時に咲き 永遠性の善を示せり

花は花は 総意の善を風の中 揺れて揺らせて全霊に告ぐ

まだなれを慰めきれぬというように花は名残りていてくれにけり

花よ花 情けがもしもあるならば 我を率いていってくれぬか

汚らわしき人世からただ逃げたくて 花よ連れゆけ我を連れゆけ

 

花色にどうして人は生きられぬ はかなき運命だからだろうか

散る花や 落ちてもやさし花の色 花の心に包まれるまち

花影や やさしき心満つりたり 汝の他に何を望まん

花影や はかなくなってゆきながら 我を誘え永久の向こうへ

花色や 汝永久なれ永久ならば 美しき世である事なのだろう

花色や 汝の心忘るまじ 汝の他に世にはなけれど

花の門 我が逝くまであと少ししばし開いて待っていてくれ

散りながら色あせながら桜花 今一層の輝き放つ

新緑も他のどの花もいらぬ 桜汝と永久にありたし

花つむじ起きてぞ花の道となる 桜の花よ今しばしあれ

銀色の桜吹雪の今となる やさしき花が我に触れにき

人心となんと対象的だろう 桜の花のやさしき心

花の意のまだ名残りたる花の夜 花よ感謝を捧げ切れない

花の意は名残りながらもやさしかる そのやさしさで我を誘いぬ

花よ花 花の気配が薄れゆく 天意また地を去りゆきにけり

花よ花 連れゆき給えこの我も 世界で一番汝を愛す

 

花の終 追ってゆきたし我もまた 淡く薄れてゆけるその色

花の天 名残りの色を残しつつ 悪から人を守るその色

花名残り 面影だけをこの胸に残してゆける春の終かな

花の終 かすかに残る花の色 枝先に汝の心を残す

名残り花 日に日に寂しくなりにけり 汝の心忘るるまじと

花よ花 汝と会えぬ1年は最も長しまた会えるのか

花の声 遠ざかりながら聴こえ来ぬ 相思の花よ我が魂よ

この春も花は慈悲なる色見せて花の国へと去り行きにけり

花よ花 慈悲なる色を降らしめてこの春もまたはかなくも消ゆ

さよならを遠ざかりつ告ぐ桜花 置いてゆくなと慟哭す夜

花は花は わずかながらも残りたり 汝を連れてゆかんとばかり

花よ花 桜のようなほほ笑みを浮かべて我は汝を恋うるなり

花よ花 いまだ名残りていてくれる やさしき世界やさしき世界

花散らす憎き雨風吹く夜に世の残酷を思い返せり

花名残る日々や葉桜前の枝

暴風に花びら全て消え去りぬ