谷村思亜のさくらうた

桜の歌が毎年たくさんできます。  #短歌  #桜  #谷村思亜

2019年のさくらうた

花よ花 再びまみえる幸いよ 汝の色は幸いそのもの

花よ花 つらきこの世に笑んで咲きほほ笑みながら散ってゆきける

花初めて春を初めにし薄紅の花は桜となって開けり

慈悲深き花よ桜の薄紅よ この春もまた愛を開けり

我何度憧れ抜いた事だろう 桜よなれの薄紅色を

春花よ 汝の心もて色をもて春のひと日を言祝がれまし

花よ花 花の生まるる喜びは祝福された紅の色かな

春風や 花の生まるる刻となる 幸い色の花よ開けよ

二つ三つ 花ぞ開ける約束の今日をひととせ待ちわびにけり

花や花 開きかけたる紅色のつぼみの色は無垢そのものぞ

花や花 告ぐためにこそ生まれけり 人にこの世にやさしき思い

この春も花は告ぐため生まれけり この上もなくやさしき思い

花よ花 開けよ開けこの春も なれの思いを世々に伝えよ

花咲かば 地獄なる世に春という釜の開く日もある事を知る

花よ花 薄紅の花色は愛の顕る色とぞ思う

桜花 咲き初めにける輝きは光り輝く愛とぞ思ふ

 

咲き初めて光り輝く花色は愛の光輝を体現す花

やさしさよ花の心のやさしさよ 色も姿も二度となきもの

無邪気なる花の心の咲き初めて 世塵のうちに楚々と咲くなり

ああ桜 今年も心奪わるる 我が憧れのやさしき色に

花の愛 花の示すを人よ見よ すべての人の願いの色を

この春も花の心と邂逅す 過酷な日々に忘れしものと

称えても尚称えても桜花 永遠性を帯びた花色

花の時 世は花色に染まりけり やさしき気配やさしき気配

我が魂を慰撫し寄り添う花なりき 桜の花は花の心は

やさし花咲けよ咲け咲け現世に奇跡なる善展いて見せよ

麗しき色に咲くなり桜花 麗しき意思示すその花

花よ花 色も姿も麗しく 無情なる世に二度となき色

賛美する心以上に桜花 汝の色は永久に尊し

汝の善は永久に汚れぬ桜花 光の意思に輝く花よ

桜花 汝祈りの花の色 神へと向かう清さの極み

壮麗に花の色降る花の降る たった七日の夢見の時よ

桜花 宇宙をいくら探しても なれより美しものなかりけり

 

花よ花 地上に一刻現るは 人を生かしむ聖なる天意

花よ花 我は汝のものなるぞ 汝と生き汝と散る者でありたし

やさしさは天地すべてを浄化する 桜の花よ花の心よ

桜とは夢と現を探せども 最上の色最上のもの

花は花は 天地宇宙の謎を解き 咲いて示せるその花色で

慈しみ慰むごとの薄紅は 桜の花の心なりけり

つかの間の光となりて桜花 一年の幸ここに極まる

花の夜 花の気配の漂うは 清らな静謐なりし時かな

心細かる季節にやさしかる花は咲くなり桜の花は

目を覚ます光のようなその色は さくらさくら薄紅の色

その花のやさしき色は二度となく さくらさくら慈愛の色よ

花色は傷つきやすき色でかつすべてを許す愛の色かな

花よ花 咲いて見せたる花色は 最上の色最上の花

こんなにも美しきものがあるものか 桜の咲くは奇跡の一つ

花よ花 汝が咲ける事たるは 現における夢の一幕

さくらさくら 世塵を浄めるためにこそ 汝は美く咲いて散るのか

花よ花 夢にも見まじその色は 現に属さぬものでありけり

花よ花 汝が咲いてくれるなら 命尽くして我は生きよう

 

薄紅に輝く光の正体は さくらさくら神の顕現

善がもし目に見えるものであるならば 桜の花の展げる色だ

豊かなる花枝の色の差し出すは 豊かな花の愛の顕現

永久がもし目の前にあるとするならば 花屋根の続くこの様の事

花よ花 心尽くして愛しても 桜の花の善は尽きまじ

花よ花 汝光に属すもの 世々を浄めるために咲く花

花色のどこまでものその美々しさよ 一年一度の春の間に間の

花の色 そのやさしさは幻の国に属する故の一刻

花よ花 汝と世にともにある幸を いかに歌わん桜の花よ

花よ花 汝の心やさしさは その花の色無二なる花よ

花よ花 無尽蔵なる薄紅は 無尽蔵なるやさしさなりき

桜花 汝が咲くは汚れたる世々を許すと示さんがため

花よ花 世々を統べてよ荘厳な薄紅色に我は従う

真なる汝の美とは桜花 やさしき花を降らせ降らせる

二度と見ぬ薄紅色よ桜花 やさしき色よやさしき花よ

天上の花ぞ開ける桜花 天上の美を世々に知らせる

花よ花 天上の美を差し伸べて 天意を示す薄紅の色

清かさよ花の心の清かさよ 二度となきもの二度となき花

 

やさしくてただやさしくて桜花 薄紅色の切なきほどに

稀なれる色を咲かせて桜花 春の七日に祈りを込めて

さくらさくら 惜しみなく咲くその善の以上の善を我は知らない

薄紅の花咲く以上に現世に佳き事などがあるであろうか

我が心 薄紅色の花愛すためだけにあり桜の花よ

花色の薄紅色の明るさよ 汝は現の聖なる光

薄紅の花咲く幸を忘るまじ 尊き花よ尊き色よ

これ以上一体何を望もうか 今現世に桜咲くらん

壮麗な色よ桜の薄紅よ なれより愛しき命はなくて

冬あとの夢にも見まじその色は さくらさくら全霊の花

桜咲く奇跡より奇跡他になく 桜咲くより美しはなくて

花よ花 我を匿え花奥に 無二なる場所に我は安らう

魂よ桜の花の魂よ 春とは救い花とは救い

花よ花 幾億枚の花びらで 世々の万象報いられてよ

花の天 かほどやさしきものはなし かほど清らかなりしはなくて

花の時だけに私を生かしめよ そして逝かせて花の四月に

見上げても尚見上げても桜花 汝の魂の深さは知れず

 

さくらさくら 汝と会える今日の喜びよ あとひと日あれもうしばしあれ

こんなにも美しが現にあるなんて 花咲くたびに信じられない

花よ花 名残れ名残れよその色よ 私の最も願いし色よ

この春も惜しまれながら花の逝く 惜しまれて逝く花ならばこそ

夢の世が現となりて桜花 今薄紅の花と咲くなり

花国よ 我が死の先にあり給え 最も愛しき花よ桜よ

誘いぬ桜の花は誘いぬ 我が花国へゆこうゆこうと

花追ってどこまでも追ってゆきたくて 我が実存と命を賭して

たおやかでこの上もなくやさしくて 桜の花よ花の心よ

花よ花 汝が国に行きたくて 我はこの世の出口を探す

花咲いて幻の世となりにける 愛しき時よ愛しき花よ

花よ花 汝最も耐えし者 そして最も美しき者

花よ花 極美の花よ薄紅の極美の色よ桜の花よ

花よ花 我が目は汝を見るために そのためだけにあったのだろう

花よ花 惜しまれるべきというものは 美しきものであることだろう

花よ花 別れの花を降らしめて 私を誘ってくれているのだ

天国に汝が咲いてくれるなら 寂しくなんかないよ桜よ

 

生涯を貫いてなれを見ていたし 桜の花よ愛しき花よ

聖なる木 聖なる色の薄紅よ 桜の花よ聖なる花よ

なつかしき色よ桜の薄紅よ 生まれる前から結ばれし縁

愛し合う喜び色の薄紅よ 神なる愛よ桜の花よ

散り出した花は散り止む事がない 花の心よ雪のごとくに

闇の中 音なく散れる花思う 花よ花よ行ってしまうか

花の雨 薄紅の色薄れゆく やさしきものはやさしく消ゆる

花の雨 汝と消えたい我はまた 汝と魂を一つにす者

花よ花 薄紅色の天国よ 永久に汝を見つめていたい

花よ花 我を忘るな永久に 我が魂の花よ桜よ

永久なれる花よ桜の薄紅よ 見つめるほどに増す汝への愛

愛しても尚愛しても桜花 汝よりの愛に報い切れない

汝の愛を人は忘れて生きている 桜の花よやさしき花よ

汝なき日の方が世は永かりし 桜の花よはかなき至美よ

汝がために晩鐘の音が鳴り響く 今現世に桜散るらん

汝を忘れ生きてゆかねばならぬなら そんな生などいらぬよ桜

桜花 最愛の花薄紅のやさしき花よやさしき花よ

 

この春も汝を送らねばならぬのか 永久を契れよ桜の花よ

汝が色は永久の色にあらざらん 最も美しものよ桜よ

この春も花の心に触れにきが つかの間の春つかの間の春

薄紅の最後の輝き目に留め 花弔いの日々を覚悟す

薄紅の花の諸手をさしのべて 誘っているよ花の国へと

薄紅の得もいわれない花の色 永劫のうちたった1つの

冷たかる雨の中にも桜花 名残りてくれる花の思いよ

花に雨 薄紅の色名残りける 汝が王国に我を招けよ

花に雨 未だ名残れる薄紅よ 愛しき花よ愛しき色よ

花の色 我が魂に刻まれよ 永久に汝共にあらんぞ

花の天 やさしき色のやさしくて 永久を望むは汝のみなり

花の天 我を招くか花の色 我が喜びを受け入れ給え

花よ花 未だ名残れる薄紅よ 私の花よ我が魂よ

花よ花 汝の気配薄れゆく 花遠ざかる悲しき夜更け

さくらさくら 薄紅の色薄れゆく むごきこの世にかき消されてく

薄紅よ 桜の花の薄紅よ 薄れながらも名残るやさしさ

薄れつつやさしさと美は極まって 桜の花よ名残り桜よ

 

寒くとも汝がいてくれる方がいい 名残り桜よ名残れ名残れよ

名残り花 花国への道開かれて 我が魂を連れ去り給え

我置いてゆくな愛しき桜花 はらりはらりと花の消えゆく

汝なき日々をどうして生かれよう やさしき花の国消えてゆく

花よ花 万感の思い胸に寄す 我と契れよ永久の縁

花よ花 永久なれと願うれど 現の世には叶わぬ願い

また会えたねと花に言われているようで 相思の花よ桜の花よ

いつまでも共にいたいよ桜花 なつかしい色魂の色

汝の色が世にある奇跡の四月の日 さくらさくら消え給うな

花よ花 汝の残るうれしさよ 花の間に間に我を養う

名残り花 煌きながら花の散る 我をさらえよ迷いなく行く

花よ花 汝と邂逅すこの時の幸を誰にも奪えん桜

風立ちて桜吹雪の今となる 美は只中に我を在らしむ

現とは美しきものははかなくて さくらさくら美しきもの

花よ花 我を包めよその色で やさしき世界やさしき世界

花よ花 讃え讃えよ薄紅の至善至高の花の思いを

 

現世はなれと我とを引き裂きぬ 花よ花よ我を忘るな

花よ花 我が憧れの薄紅よ 地上に降りし天上の美よ

花未だ地上に残りし花の夜 花よ花よどこにもゆくな

花よ花 なれ消え給う事なかれ 遠き尊き天上の美よ

金剛の雪のごとくに花の降る 聖きこの時永久に留まれ

褪せながら遠のきながら花の言う 真善美とは世にもあらじと

美しきものは美しく散ってゆく 桜よ桜世に惜しきもの

風起きて縦横無尽に花の散る かすかに残る花の思いよ

薄紅のかすかに残る花の国 汝世にある事の救いよ

花と咲き示した善意忘るまじ 桜よ桜汝の全霊よ

歌ができそれでも寂しい桜花 汝が消えゆく日々を忍ばん

風に吹かれ煌きながら花の散る 別れの言葉も花はやさしき

花よ花 なれより親しきものはなし 心を許す薄紅の色

花よ花 名残りの花を落としけり ゆっくりと花消えにけるかも

花よ花 名残れ名残れよ無二なれる全霊に咲く善霊の花

花は降りやさしく我に触れんとす さくらさくら薄紅の色

花よ花 別れの季節に咲く花は 深く深く人を慰撫せり

 

花よ花 離れたくないどうしても 汝の魂のかけがえなさよ

花よ花 別れの花を降らしめて 我を包めるやさしき思い

名残り花 花の天から降れるのは やさしき思いやさしき思い

ああ花よ なれとの縁切れはせぬ 今年の春も終わりはすれど

枝先に残るわずかな花びらは 無二のやさしき思い差し伸ぶ

ひとしずく 花降り名残る若葉かな

降り名残る 若葉の陰の花の終

かつてここに美しき国があったんだよ さくらさくら花は潰えて