谷村思亜のさくらうた

桜の歌が毎年たくさんできます。  #短歌  #桜  #谷村思亜

2009年のさくらうた

咲きいでし 桜に遊ぶ 小鳥かな


やわらかき 心をほどく 桜かな


現世の 憂さ忘れさす 桜花


冬の日に 雪降るごとく桜とは 世に天変を現しにける


桜花 そのやわらかさたおやかさ 汝の色は永久に麗し


遠く近く 優しき色の続きけり 春ぞうれしき一瞬の永久


何という色にこの世を染めにしか 桜よ桜 至善の花


桜木の 思いもかけぬその色は 春だけに見ゆ現世の愛


花宇宙 幾星霜の深き森 悲しみの向こうにきっとある場所


花の奥 どこまでも深く 遊ぶ鳥


花生まれ 美しき世も生まれける 重なり重なれ薄紅の色


青空に 突き抜けていく 桜かな

 

うれしさや 今日も桜の咲く景色 夢世界より許されし花


花宇宙 無限の白桃色の間に 三千世界の鳥は遊べり


花の色 祝福の色幸の色 全ての善を現しける色


永久の 白桃に咲く花の間を 夢見るごとく風は渡れり


桜木の 子どもになって永久に 花奥に奥に遊び行きたし


その色は 薄紅白桃桜木は 表し難き花の色かな


白桃に 白桃の陰重なりぬ 桜よ優しき微笑みの花


花天井 悲しき思い 取り去りぬ


花の雲 願いが一つ叶うなら 汝と共に永久にある事


その色は この世の色にあらざらん 一瞬の刻に咲く夢の花

 

天上の 愛を降らせて 桜かな


愛に満つ 心の丈の全きを 白桃色に花は差し出す


輝ける 光を乗せて白桃の 花は豊かにそこにありたり


白桃の 桜の国に分け入りて 分け入る事は我の永久


現世の 隠れおりたり秘密をば 顕現したり桜開ける


この世にも こんな善意があるんだよ 花咲くごとに気づかせらるる


花の雨 未生のごとき 永久がある


やわらかき 優しき花の告ぐる事 その色をただ信じればいい


永久に 永久に続け花の国 その色は天に続く道なり


年々に 一度限りに咲く花は 透明よりも輝ける色

 

行かないで 願いを花に唱うれば 花はひとひら我に落とせり


花落ちて 花は残せり 花の道


花揺れて 花奥より花降りしきる 一刻にある永久の色


名付くれば 至善の花のその色は 例えば久遠という名が浮かぶ


花の刻 永遠の時が ここにある


春色の花よ私もつれていけ 汝があるならばどこだっていい


深く深く 花ふところに入るらむ 銀色に花降りしきりいる


花次元 無限に花は降りつのる 薄紅に我包まれしおり


花降りて 天地桜の色に染む 止まれ私の時間よここに


目の奥に 花の景色の焼き付きぬ はかなき時よはかなき花よ


美しき時を名残りて花吹雪

 

薄紅に 優しく咲けるその花は 優しき思いを込めて散りゆく


さようなら 何万回も我は告ぐ 春万感の時散りゆきぬ


何処より 花降りおりぬ 町の春


茜さす 名残り桜の 疲れかな


日差すごと 花の季節の移ろいぬ 生きるとはそういう事かも知れない


青空に かき消えてゆく 桜かな


花の終 天に還りぬ 天の色


風吹けば 千秋楽の 花吹雪


花あとの 若葉の前の やわらかさ


若葉出ず 朝露ほどの 桜かな


花あとの 淡き桜に むごき雨


花終えて 凛と若葉の 桜かな

 

萌えいずる 若葉に残る 桜かな


薫風に舞い上がる名残り桜かな


花あとの 緑葉のすその 夢のあと