谷村思亜のさくらうた

桜の歌が毎年たくさんできます。  #短歌  #桜  #谷村思亜

2013年のさくらうた

その色の世に咲き初めぬ桜咲く


その色の世にある事のうれしさよ花は己も寿ぐごとし


青空に花の心のほころべり


一部二部花の心の咲き初めぬ くすくす笑いが聞こえている


最上のやさしき色の咲き初めぬ 桜の花よこの春もまた


真っ白く日差しを受けて花枝は天を称えるごとく輝く


咲ける咲ける枝の先に花開きける はかなく美くおわしにける


さくらさくらありえぬほどのやさしさの色に一刻世を染めにける


花に雨 古の日に続くごと 薄紅の森床しく煙る


桜花 最も花らし花なりき 花の咲く時その花の色


やさしくてただやさしくてやさしくて桜の花の心根の色


桜木の枝から雪崩れる薄紅の色ぞやさしき奇跡なる刻

 

華やかな色を展げし桜花 天なる色の美とぞ思ふ


こんなにもやさしくかほど美しく 花の咲きたる時のありけり


無限なる苦しみをへて巡りたる 桜の花のふたたび咲く日


花の屋根 夢色の国現るる はかなきものの色のはかなさ


万金の値以上の奇跡とは 桜の花の展げる色ぞ


世にありてうれしきもののまたとなし 桜の花よ無二なる色よ


花の咲く七日以外の日常のなんと過酷な事ぞと思う


日常の過酷を打ち消すごとく咲く やさしき花の強きやさしさ


やさしさはめったになくて美しい 桜の花を見上げて思う


花の咲く時よ無二なるこの刻よ 永遠性を表しながら


ありとあらゆる時空を探してた さくらさくら汝の色を

 

何もかも全てこの世を失せれども 桜汝は永久にあれ


この胸の最も高鳴る時なれり 桜の花の展がれる時


幾億の無数の善意春の時 花の姿と現れにけり


霧の空 桜の花があるならば 他のどこにも行きたくはなし


さくらさくらこの苦しみに耐えてこそ汝と永久に邂逅すべし


夢の国 花の開きて現るる 世の苦しみを慰むごとく


花ありて花のささやきそよぎくる いかなるものにも代えがたき時


憧れの色は今年も咲きにけり さくらさくら永遠の花


いかなるの色より麗しその色はさくらさくら慈愛の色


現より最も遠きその色は世につかの間の花と咲きける


花の満つ時よ春の一刻よ 人を憐れむ時節なりけり


輝ける薄紅色に花は咲く 美しすぎるもののはかなさ

 

幻の国のものたるその色は七日ばかりの花と咲きたる


あえかなるつかの間の時に咲く花はふれてはならぬ神聖の色


祝福のあふるる雪崩薄紅の花は豊かに世に満つるなり


清らかな祝福の花咲きにけり 何故そんなにも心を込めて


いずこよりやってきたのかその色は桜の花よはるけき色よ


薄れゆく花の記憶の切なさにどうして生きていかれるだろう


花の空 鳩胸高く 飛翔せり


ありがとうやさしき花よどこまでも夢にも見まじその麗しさ


花の国 七日の美を世に現せり パンドラの箱の希望のごとく


一生の人の苦しみ報うごと 信じ難き美花は垣間見す


夢の時 夢色の花咲きにけり 夢という美が今おわしける


重なりてなおもやさしき花の色 淡く切なきものとぞ思ふ

 

花の傘 これほどやさしものあらば 人は安けく生きていけるに


桜花 ありてうれしき最上の花よ最もやさしき色よ


花の色 世に短くは世にあらず はるけき国の借りものの色


世に桜 人の心に愛あらば 天の願いの成就と思う


花の門 続けよ続け永久に その下を永久に歩ませ給う


幻の日よ幻の花の咲く 天意の降りし一刻の時


天の国 我らに見せたるその花はこの上もなくやさしくそよぐ


さくらさくら 天は我らを見捨てぬとこの春もまた花は開ける


冬を耐え咲きたる花の美しさはかなさ故に人を泣かしむ


春色の花の国まだ世にありて 夢にすら思いがけなかった日


薄紅の花世にありて春という幻の日を表している

 

花の色 永久なると思いたし この世にはかなきものこそ永遠


桜色 汚れも知らぬ薄紅の色よたった1つの色よ


花の森 空を埋めにし薄紅よ 世々の全てを埋めよ尽くせよ


あせながら気づかうように花は逝く 労わるようにほほ笑みながら


花の国 帰ってゆくのか花はまた 花の心を今年も知らせ


その色もその花姿もやさしくて 無上の花よ無上の時よ


花あらば世は幻の国となる 神秘なほどのやさしき色で


現世に花散る事の切なさよ 切なきほどの美しさゆえ


さくらさくら 我が願いはただ1つ その色の中に滅す事なり


人の生く悲しみ慰むためならば 桜はかほど美しく咲く


万遍に別れのことば告ぐごとく 花はやさしき花落とすなり

 

世の裏にこのような色があったとは さくらさくら神なる愛よ


花びらの形も愛し桜花 次はどの世に愛を伝える


散り桜 淡き香りの立ちながら 天地四方は薄紅の雪


花いかだ 花の嵐に襲われて 花吹きだまり 桜の終


桜まだ薄紅色を輝かす 生きとし生けるものへの賛歌


限りなく真白に近き薄紅の煌きながら花は散るなり


お別れのことばもやさし桜花 小さく降らす愛のささやき


やさしさの傷つく様を見るようで 名残り桜は胸痛むなり


ゆっくりと幻の国に帰りゆく 桜よ今年も愛を伝えて


薄れゆく様も妙なり桜花 汝という美を永久に称えん


薄紅の雪のごとくに花は降る どんな嘆きも包むがごとく

 

汝の色をいかなる色より愛すなり さくらよさくら命も捧ぐ


暗雲の前に桜は輝けり 幸福の国を示すがごとく


淡やかにさくらよさくら消えてゆく 無尽の愛を降らせ降らせり


花よ花 夢の国への入り口よ さやけくやさし幻の色


山桜 共に吹かれる春の風